ゆかた作りへのこだわり
ゆかた作りの様子1

職人技が活きる、昔ながらの作り方で最良のものだけを創る

京友禅は50年程前、大正時代が一番華やかだったと言います。現在は工場での生産や海外での生産、また大量に生産できる機械の導入もありますが、昔ながらの職人技が活きるやり方で、良い物だけを作っていく。これが私たち紫織庵のこだわりです。

その結果他に比べれば年間生産量は30分の1くらいになってしまいます。しかし、それでもお客様に提供するものは最良の物にしたいという想いで取り組み、現在も職人技を活かしたこだわりの商品を提供し続けています。

ゆかた作りの様子2

バランスを考えた染め上げ

私たちの提案する大正友禅柄をつくるには、図柄を復刻させながらも現代人の体格に合わせるためにはバランスを変えることが必要です。
下絵を描き、マス見本(色見本)を何十枚も試作します。色決めは12月から2月の間。畳敷きの広縁にマス見本をズラリと広げ、自然光で見比べるのです。

この時期に行うのは、建築当初のまま残っている波打ちガラスを通り抜ける穏やかな冬の光が最も適しているから。頭上から注す夏の強い光を思い浮かべながら決めていきます。多くの候補を見極めながら、最良のものだけを選定し浴衣として作り上げるのです。

ゆかた作りの様子3

着心地が素材へと繋がる

浴衣の素材は綿絽を中心に展開。綿絽は肌触りの良さに加え麗しさがある特別な素材。
経糸と緯糸を絡ませた透かしボーダー状の生地を選びます。産地は上質な綿生地で有名な浜松。

透かし目に番手の異なる糸を添えてハリを持たせるのは独自の工夫。良い物を作るためには少しの妥協も許さない。それが私たち紫織庵のこだわりなのです。

ゆかた作りの様子4

こだわりの手捺染め生地

これからが京職人の腕の見せどころです。浴衣といっても、最近はインクジェットプリントがそのほとんどを占めています。
柄を構成する色の数だけ版を起こし、それを一版ずつ重ねます。染色工場の職人さん達は長年の経験で得た熟練の技で仕上げます。身体全体をバネのようにしならせ、ゴムべらをさっと動かしながら、真っ白な反物の上に柄を乗せていきます。

淡い色から濃い色へと版を重ねるのが友禅のセオリー。柄が出来上がった後、反物全体を地色で覆います。えっと思われるかもしれませんが、これが美しさの秘密。仕上げの段階で、柄の部分だけ色を抜く“防抜”という作業を施すと、くっきりとした輪郭を持つ、凛とした表情が浮かび上がるのです。

ゆかた作りの様子5

一枚ずつを手縫いで仕上げられたものが、最高の浴衣に

注1.)お誂えのお仕立をご希望の方
次はいよいよ縫いの工程。紫織庵の浴衣は全て手縫いで、和裁士の女性たちがひと針ごとに端正を込めています。長年経験した熟練の職人でも1日に1枚くらいしか縫い上げることが出来ないのが、細やかな気遣いが行き届いた紫織庵の浴衣。まち針で生地の目と目をピタリと合わせ、爪折り(爪で印を付ける)した上を、僅かな狂いもなく針を走らせるのが職人の技。

こうして手が縫い上げた浴衣は、不思議なほど身体に寄り添います。着物としても着れるような浴衣に!という私たちの想いが詰まった浴衣は袖を通せば、機械縫いでは得られない心地良さを実感していただけるはずです。
注2.)プレタ浴衣をご希望の場合は、ミシン仕立となります。あらかじめご了承ください。

こだわり抜いた紫織庵の浴衣を是非あなたも感じてください。